詞・曲:頭慢
うちの前の道はとっても急な坂道で
自転車を降りて自転車を押して人は登ってく
ひとは「坂道のぼれ」と勇ましくかけ声をかけ
右肩上がりの時間をたどるのがいつも好き
もっと高く もっと高く
もっともっと高く
「もっと高く」とひとが上に登りたがるのは
位置エネルギーをきっと蓄えたいからだろう
「もっと高く」とひとが一歩先を目指すのは
オキシトシンをきっと分泌させたいからだろう
もっと高く もっと高く
もっともっと高く
どんどん高く上ってやがて崖の上に立つ
御神崎の縁に立って足元の海を見下ろす
それが昔キルケゴールという人が語った
自由と不安を目指した結果かも知れない
自分が上れる限界よりももっと高くと
スノーホワイトに乗った彼女はそう思ったか
もっと高くと高度100キロを超えてしまえば
そっから先はもう高さなんてなくなっちゃうのに
もっと高く もっと高く
もっともっと高く
誰のために人はもっと高くと思うのか
何のために人はもっと高くと思うのか