人の鳴き声

作詞・作曲:頭慢

朝の海にカラスが鳴く
昼間の森に蝉が鳴く
夜の街に紛れて猫が鳴く
人間はなんて鳴く

人間だけが鳴けない
声は言葉になってしまう
コミュニケーションは自分の得のため
なんて言葉は不自由だね

だから遠い昔の言葉が始まる前の
遠い昔の音楽を奏でよう

カラスは明日死ぬかも
蝉は今日にも死ぬかも
猫も 今日だけを生きている
僕はいつまで生きるの

人間だけが明日を不安で
明日の明日を数える
記憶と歴史と引き換えに
鳴き声を忘れてしまった

せめて遠い昔の言葉を見つける前の
遠い昔の音楽を奏でよう

情動が感情となってしまう前に戻って
訴えるだけの音楽を奏でよう
地球の生き物たちと肩を並べるように
始まる前の音楽を奏でよう
遠い昔の音楽を奏でよう

ハロウィンのおねだり

作詞・作曲:頭慢

trick or treatハロウィンのおねだり
trick or treatハロウィンのおねだり

子どもの頃は知らない誰かにも
treatおねだりができた
わがままなままに不機嫌な顔で
trickおどかすこともできた

でもそれはひとつの場合
こどもの生い立ちはそれぞれ
ハロウィンのおねだりをできたこどもが
幸せな将来とは限らないけど

trick or treatハロウィンのおねだり
trick or treatハロウィンのおねだり

僕の傍らで寝息をたててる
treatあなたはどうだろう
わがままなままに愛をもとめる
trick僕を困らせて

でもあなたはあなたのままで
自由なままでいればいい
僕がいつかあきれてあなたを
見放すことがないとは限らないけど

trick or treatハロウィンのおねだり
trick or treatハロウィンのおねだり

担々麺食べたい

作詞・作曲:頭慢

星野商店の隣にあるさしみ屋から三件先の
ステーキ屋の坦々麺を今日は食べに行こう

今日は朝から色んなこと考えてる
誰かのためにしてることは
自分のためでしか無いんじゃないかなんて

そんな時にアイツの顔が浮かんできちゃったりして
違うよもっともっとわがままに
自分のために毎日を暮らしたいから

星野商店の隣にあるさしみ屋から三件先の
ステーキ屋の坦々麺を今日は食べに行こう

今日は朝から不機嫌な顔をしてる
でも本当に不機嫌かどうかは
内緒にしておこうと思うんだよ

そんなときアイツってば心配してくれるんだ
本当はそれがうれしいんだけど
まあとりあえず今はお腹が空いたから

星野商店の隣にあるさしみ屋から三件先の
ステーキ屋の坦々麺を今日は食べに行こう
星野商店の隣にあるさしみ屋から三件先の
ステーキ屋の坦々麺を今日は食べに行こう

と思ったけどさしみ屋のところまで来て
突然気が変わって引き返して
星野商店でジューシー買って帰ろう
アイツの分も買って帰ろう

部屋 ~メゾンココナッツ201~

作詞・作曲:頭慢

荷物を全部運び去った部屋に
最後に一人で来てみた
窓から射し込む光を遮るものは無い
がらんどうの床にごろんと寝転んだ

あなたとこの場所で暮らした証は
原状回復のもと綺麗に消し去った

さよならメゾンココナッツ
だからあなたとここで暮らし始めた時に
二人もう一度戻ればいい
だからもう一度さよならメゾンココナッツ

クルマの通る音が外にきこえて
その音が部屋いっぱいに響きわたる 
要らないものたくさん捨て去った
二人で過ごしたあの日々さえ

あなたとこの場所で暮らした痕跡を
見つけては無かったことにして出て行く

さよならメゾンココナッツ
子供の頃のクラス替えのように
新しい暮らしが明日から始まる
だからもう一度さよならメゾンココナッツ

星のミーム

作詞・作曲:頭慢

手のひらを砂浜に押し当てて付いた砂粒に
星の砂 幾つ混ざっているかな
天高く母星が無数に産み落とした子たち
星の砂 海の魔物に食べられた死屍

星のミームが地球の生き物を作ってから
細胞が細胞を繰り返しつくって百億年

僕たちの暮らしにはたくさんの便利があるけれど
みんな昔死んでしまった人の知恵

太陽を浴びながら誰もいない海辺で汗をかく
星の砂その汗が星の形になればいいのに

僕のミームはどれだけ伝わってゆくだろう
記憶から記憶へと繰り返し伝えて幾億年

手のひらを砂浜に押し当てて付いた砂粒に
星の砂 幾つ混ざっているかな