海と擬人法

詞・曲:頭慢

僕たちは水や空気やアミノ酸からできている
僕たちは太陽の熱や木星の引力からできている
僕たちはとてもさまざまなものからできていて
自分の体すらその一つの部品でしかない

僕たちは猫の鳴き声やカビ臭い椅子からできている
僕たちは木陰を抜ける風や海辺のブランコからできている
海に来ると自分という擬人化が少しほどけて
どうでもいい何でも無いような存在になる

ほら海に来て寄せる波の音を聞けば自分を形づくる
さまざまなものの間に海の水が染み渡るようだ

僕たちは心臓やシナプスや爪の垢からできている
僕たちは血液型や星占いからできている
昔とても愛した人へ伝えられなかった後悔や
死んでいった友達の記憶からできている

僕たちはデニソワ人やアンモナイトからできている
僕たちはやりたいことや伝えられないものからできている
海に来ると自分という擬人化が少しほどけて
海と空と自分の境目がわからなくなる

ほら海に来て寄せる波の音を聞けば自分を形づくる
さまざまなものの間に海の水が染み渡るようだ

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