都会から来た人は

詞・曲:頭慢

都会から来た人は高校時代からの友だち
一番旧くからの僕の親友

都会から来た人はかつて生まれて初めて飲む酒を
まったく酒の飲めない僕の前で飲んだ

都会から来た人はある日一冊の本を僕に読ませて
自分はゲイだと僕に打ち明けた

都会から来た人は下町の建て替え不能な一軒家を買って
今は若い男と住んでいる

都会から来た人は日本で一番の大学を出て
地方の大学教授をしてとても羨ましい人生を送ってた
とっても羨ましい人生を送ってた

都会から来た人は僕と妻に会いに島に来て
そしてとっても特別な事を僕等に打ち明けた

都会から来た人は明日都会に帰ってゆく
もう会えないかも知れないね、いやまた会おう

今日も一日、好い日でありますように
明日も一日、好い日でありますように

猫のイーヴン

詞・曲:頭慢

机の上に雑誌を広げていると
君はその上に乗っかってくる
雑誌の上は居心地がいいんだよね
君の言いたいことはわかる

君の意見は僕とは違う
君は猫だしそれは仕方がない
それでも君の意見を認めよう
だから君も聞く耳を持ってほしい

ふと顔を上げてみるとテレビジョンで
どっかの国際ニュースが始まった

僕の大切な皮製のカバンに
君はバリバリと爪を立てる
そこは爪とぎに気持ちがいいんだね
君の言いたいことはわかる

君の意見は僕とは違う
君は猫だしそれは仕方がない
それでも君の意見をリスペクトする
そうやって一緒に暮らしていこう

ふと傍に目をやると広げたままの
地方新聞の見出しが目にとまる

さしみ屋

詞・曲:頭慢

かみやーき小の並びにある
星野商店の隣にある
看板の無いさしみ屋が
おまえの好きだった店

そんなことを今になって
おまえの友達から教えられた
知らなかったよおまえの事は
全て知ってるつもりだったのに

かみやーき小の並びにある
星野商店の隣にある
看板の無いさしみ屋が
おまえの好きだった店

一緒に居た頃にあたしが
見ていたおまえは所詮
痩せたアタマの中で作った
おまえでしかなかったのかい

かみやーき小の並びにある
星野商店の隣にある
看板の無いさしみ屋が
今日も店を閉ざしてた

遠い所で今頃きっと
おまえはさしみなんかつまんでさ
笑いながら島酒を飲み
楽しくやってることだろうね

かみやーき小の並びにある
星野商店の隣にある
看板の無いさしみ屋が
今日も店を閉ざしてた

たどり着けない店
たどり着けないおまえの心

 

ココロノ中ノさいたま

詞・曲:頭慢

海から吹く風の中で
暮らし始めたとき
今まで住んでいた場所は
ふるさとになったか

生まれて育った所を
答えるその度に
思い浮かべる風景は
そこにはない場所

大宮公園の桜
調神社の十二日まち
与野ハウスから見る雪
さいたま新都心のイルミネーション

生まれて育った所に
残したものはない
全て心のダンボールに
詰めて送ったから

大宮ルミネの人混み
埼大通りのけやき並木
東大宮の餃子屋
秋ヶ瀬公園の土手の道

ずっとずっとずっと
生まれた場所から吹く風に
ずっとずっとずっと
風に吹かれながら生きてく

氷川参道わきの図書館
見沼代用水の濁った水
一時間待ちの東北線
京浜東北線に乗ってどこまでも
県立博物館でデート
なをたんの曇った窓

遠い指輪

詞:秋葉信雄・曲:頭慢

女が一人 バスルームで唄う
草原の歌を モンゴルの言葉で
愛する人を懐かしむ 母から聞いた
遠い音

男は一人 ベッドの上で
腹ばいになり タバコをくわえ
安宿のシーツ 汗で濡らし
遠い夢

はずした指輪を もとに戻し
男は一人 部屋を出る

残り香が 漂う ような気がして
ドアを探して街を歩く
降り出した雨が コートを叩く
遠い道

忘れた歌が 耳元で鳴る
男は一人 ドアを開ける

タバコの煙の その向こう
ゴロワーズの誘い
指輪をはずし 席に座る
遠い闇

はずした指輪が 責めてくる
男は一人 消えていく
遠い指輪・・