歌にならないルサンチマン

詞・曲:頭慢

「それは誰かのせいだ」誰かがつぶやいて
それを誰かがいいねと言った
それで満たされたようなちっぽけな感情が
狭くて広い世界を駆け巡る

昔々僕らがサルのようだった頃 虎に襲われて寒さに凍えた
そんな弱い自分の周りの すべてを心から恨んだ

僕らはもしかすると何かを恨むことに
最適化された悲しい生き物なのかもしれない
その悲しさを歌にして笑えたらいいのに
・・・いいのに

「それは誰かのせいだ」誰かがこしらえた
陰謀論を誰かがお気に入り
そんな知ったかぶりの我儘な宗教が
薄っぺらで深い世界を駆け巡る

昔々僕らがネズミのようだったころ 恐竜が歩く昼間は穴倉に隠れてた
そっと夜の闇にしか生きられないことを心から恨んだ

僕らはもしかすると何かを恨むことに
最適化された悲しい生き物なのかもしれない
その悲しさを歌にして笑えたらいいのに
・・・いいのに

昔々僕らがピカイアだったころにはアノマロカリスやオパビニアに襲われた
昔々僕らがバクテリアみたいだったころ 爆発する火山や硫化水素の海に囲まれて
そんな星に生きなくちゃいけない ことを心から恨んだ

僕らはもしかすると何かを恨むことに
最適化された悲しい生き物なのかもしれない
その悲しさを歌にして笑えたらいいのに
・・・いいのに

神様は選べない

詞・曲:頭慢

17歳の君が両手に頬を預けて
「私たちの将来はどうなっちゃうのかな」って言う
17歳の君は薄日のあたる部屋で
後ろ姿の肩は少し震えている気がした

「だってテレビやネットでは暗いニュースばかり流れて
異常気象や災害がまるで明日にも訪れるかのよう」

僕は黙ってただ君のことを
抱きしめる そしてこう言うよ
「ダイジョウブ 」そして君にかけられた
呪いが早く解けるように祈るよ

17歳の君が心の奥底にある
神様をみつけてそれを信じてくれればと思う
思い出してごらん昨日の帰り道で
立ち寄った神社の御神籤は大吉だったじゃない

「だってテレビやネットでは不安を煽り立てるばかり
格差社会や争いがまるで目の前に迫ってるかのよう」

僕は黙ってただ君のことを
抱きしめる そしてこう言うよ
「ダイジョウブ 」そして君の未来は
想像より無限にある事を伝えたい

17歳の君を陥れようとしてる
異教徒たちの欲望を僕は許さない
昨日届いたニュースさ はるか宇宙の彼方
冥王星に人工衛星が近づいたってね

蔵前といえば

詞・曲:頭慢

蔵前といえば蔵前国技館
子供の頃 大相撲は蔵前国技館
今は移転して両国国技館
跡地は水道局の処理場になってるらしい

じいさんのおかげで子供の頃からお相撲は好きで
物心ついた時まだ大鵬が現役だった
子供の頃好きだったのは大関旭國
あんまり誰も知らないと思うけれど

その旭國が絶好調だった場所があって
その場所の成績が14勝1敗
1敗の土をつけたのが横綱北の湖
結局北の湖の全勝優勝だった

その北の湖については思い出があって
それは僕がまだ高校生のときだった
付き合ってた女の子は僕より背が高くて
その子がある日僕に言ったのだった

私、お相撲さんのところへお嫁に行きたい
結構本気なのよと彼女は言った
それを僕に言うかなこの子はと思った
そもそもそんな子がどうして僕と付き合ってたのか

とくに北の湖が好きと彼女は言った
だってかわいいじゃないと彼女は言った
その時僕は女性という存在が
不可解なものであることに目覚めた

まあそんな他愛ない思い出
蔵前から連想しての思い出

猫の国へ

詞・ 曲:頭慢

お誘いを受けたのはおとといの夜だった
うちの猫ときたら時々姿をくらますから
猫の国へでも行ってるんだろうと思ってた
だけどホントにそうだったとは正直驚いた

9つの命を猫は持っていて
うちのは7つめしゃべれることも隠してたらしい

猫の国へ行ってくるよ お土産のマタタビ酒をバックに詰めて
猫の国へ行ってくるよ 戻れないことになるかも

猫の国へ行くのは生きかたを学ぶため
昨日を忘れて完結した今日を繰り返す
実のところ僕は最近悩んでいて
うちのヤツがそれを見かねて声をかけてきたらしい

時間は体重の1/4乗に
比例するから一泊二日が1日になるはず

猫の国へ行ってくるよ 誰かに告げて行くかはまだ迷ってる
猫の国へ行ってくるよ 帰れないことになるかも

猫の国へ行ってくるよ お土産のマタタビ酒をバックに詰めて
猫の国へ行ってくるよ 戻れないかも

猫の国へ行ってみたら そこにはうちの奥さんがいて
手を振って迎えてくれた そういうことだったのか

Slow Life

Slow Life – slow down your own life –
詞・曲:頭慢

リズムを感じているかい地球のリズムを
それともそれはテレビのドラマの足音かい

切り取れない時間にお金を払って
無限大の欲望に生きてる時間さえ 急かされて

slow life時の流れの中
slow down旋律を
your own life見失わぬように
この時に生きてゆく

窓から射す光が消えてゆく夕暮れは
あなたと同じ明日が訪れますように 祈りたい

今を生きているかい予定に書かれた
はるか遠くの未来の囚われになってない 本当に

slow life時が流れてゆき
slow downその先に
your own life何も見えなくても
この時に生きてゆく

今を生きていると自信はあるけど
あなたと同じ時間を歩いてゆきたい 急がずに