ゆらぎの彼女

詞・曲:頭慢

あの子が防波堤の上で
踊るダンスを見たことがあるかい
誰だってそれに見惚れて
現実と非現実のゆらぎにゆれてしまうよ

近づいたら分からない
地図で見た海岸線は
波打ち際の寄せる波
彼女に近づいたら彼女のことはわからない

南の島の海へ行ったら
サンゴの海で泳ぐのは後にして
彼女の姿を探してごらん

彼女のダンス 防波堤のダンス
ゆらぎのダンス 潮風にダンス
彼女のダンス 波しぶきダンス
サンゴのダンス 貝殻のダンス

あの子の噂話を
誰かに聞いたことがあるかい
地球で一人きりになっても
誰かに見せるために踊り続けるだろう

ゆらぎでできた世界
粒子と波動の二重生活
存在は確率でしかわからない
鼓動は頸動脈と肺と腎臓でゆらいでる

南の島の海へ行ったら
イグアナを見つけるのは後にして
サイダーのような衣装を探してごらん

彼女のダンス 砂浜のダンス
ゆらぎのダンス 海鳴りのダンス
彼女のダンス さざ波のダンス
リーフのダンス 紺碧のダンス

海と擬人法

詞・曲:頭慢

僕たちは水や空気やアミノ酸からできている
僕たちは太陽の熱や木星の引力からできている
僕たちはとてもさまざまなものからできていて
自分の体すらその一つの部品でしかない

僕たちは猫の鳴き声やカビ臭い椅子からできている
僕たちは木陰を抜ける風や海辺のブランコからできている
海に来ると自分という擬人化が少しほどけて
どうでもいい何でも無いような存在になる

ほら海に来て寄せる波の音を聞けば自分を形づくる
さまざまなものの間に海の水が染み渡るようだ

僕たちは心臓やシナプスや爪の垢からできている
僕たちは血液型や星占いからできている
昔とても愛した人へ伝えられなかった後悔や
死んでいった友達の記憶からできている

僕たちはデニソワ人やアンモナイトからできている
僕たちはやりたいことや伝えられないものからできている
海に来ると自分という擬人化が少しほどけて
海と空と自分の境目がわからなくなる

ほら海に来て寄せる波の音を聞けば自分を形づくる
さまざまなものの間に海の水が染み渡るようだ

誰か僕と内緒の話をしよう

詞・曲:頭慢

この狭い町で暮らしていると
ちょっと外を歩くだけで知った顔に会う
でももしも街の中で自分に会ったとしても
それが僕だと僕はきっと
きっとわからないだろう

誰か僕と内緒の話をしようよ
僕を知っている君を探しに行くよ
誰か僕と内緒の話をしようよ
長い長い夜を一緒に過ごそう

昔のブログを読み返してみると
ちょっとこいつは誰なんだろうって思う
昔の写真を見ても本当にそれは自分なのか
でも今の写真を見ても
同じ気持ちになった

誰か僕と内緒の話をしようよ
僕を確かめるのは君の指先
誰か僕と内緒の話をしようよ
僕を確かめた君を確かめる

僕を知ってる君を探しに
都会のビルの街へ紛れ込もう

誰か僕と内緒の話をしようよ
僕を知っている君を探しに行くよ
誰か僕と内緒の話をしようよ
長い長い夜を一緒に過ごそう

飛び出し注意

詞・曲:頭慢

南の島の北の果て
車を走らせ向かいます
岬の白い灯台は
恋する二人が誓う場所
お気に入りの歌かけたなら
気持ちは上向き60度

だけど気をつけて スピードは控えめに
前方確認 飛び出し注意

シロハラクイナ 黒いカラス
イノシシウリ坊 セマルハコガメ

南の島の北の果て
ポンコツ車で向かいます
お日様キラキラ光るから
心もウキウキしてきます

だけど気をつけて 浮かれている時ほど
好事魔多し 飛び出し注意

シロハラクイナ 黒いカラス
イノシシウリ坊 セマルハコガメ

のろまなハト 痩せた猫の子
散歩中わんこ 飛び立つカンムリワシ
サキシマハブ 白いお馬さん
オオヒキガエル ヤギのお母さん

新しい物語

詞・曲:頭慢

子供の頃の将来と
今の自分の将来に
違いなんてない 子供の頃に見た
夢だってもう一度見てもいい

でも必ず夢を見なくていい
見なくちゃいけない夢はない
向かう場所なんて 決めなくていい
あの水平線を 目指せばいい

昔のことは今の自分が作った
新しい物語
これからのことも今が一頁目の
新しい物語

忘れたはずの遠い思い出が
眠れない闇に引き込む
だけど記憶は決してクロニクルじゃない
机の奥にしまった貝殻

昔のことは今の自分が作った
新しい物語
これからのことも今が一頁目の
新しい物語