もっと高く

詞・曲:頭慢

うちの前の道はとっても急な坂道で
自転車を降りて自転車を押して人は登ってく
ひとは「坂道のぼれ」と勇ましくかけ声をかけ
右肩上がりの時間をたどるのがいつも好き

もっと高く もっと高く
もっともっと高く

「もっと高く」とひとが上に登りたがるのは
位置エネルギーをきっと蓄えたいからだろう
「もっと高く」とひとが一歩先を目指すのは
オキシトシンをきっと分泌させたいからだろう

もっと高く もっと高く
もっともっと高く

どんどん高く上ってやがて崖の上に立つ
御神崎の縁に立って足元の海を見下ろす
それが昔キルケゴールという人が語った
自由と不安を目指した結果かも知れない

自分が上れる限界よりももっと高くと
スノーホワイトに乗った彼女はそう思ったか
もっと高くと高度100キロを超えてしまえば
そっから先はもう高さなんてなくなっちゃうのに

もっと高く もっと高く
もっともっと高く

誰のために人はもっと高くと思うのか
何のために人はもっと高くと思うのか

行き止まりの二人

詞・曲:頭慢

何から逃げようとしたのか
走る車にスピード上げろとBGM
二人で描いたヴィジョンには
たどる道の景色しかなかったのか

いつも120m先を見て走っていたから
助手席のあなたの横顔すら見なかった

突然現れた行き止まり
二人に訪れた行き止まり
予想もしてなかった行き止まり
逃げ道は行き止まり

それでもどこか安心してる
二人はもう進まなくて いいんだと
道に沿って走るだけの物語
初めて我に返り踏むブレーキ

何処まで続くか分からなかった二人の未来
解放され歓喜の声をあなたは上げるか

突然現れた行き止まり
二人に訪れた行き止まり
予想もしてなかった行き止まり
逃げ道は行き止まり

僕たちは先回りし過ぎていた
リアルな今だけでよかった
だけどUターンしてしまえば
また次の行き止まり

クリスマスはなんかウキウキ

作詞・曲:頭慢

クリスマスはなんかウキウキ
クリスマスはなんかウキウキ

恋人が居るひとも
別れたばかりのひとも
今はちょっとだけ恋に疲れて
お休みをしているひとも

キリスト教徒のひとも
ブッディストのひとも
神様なんて信じられなくて
むしろ自分が神様のひとも

まちにくりだしてみれば
きっと世界中に幸せがくる
きっと私だけにすてきな幸せが来る

クリスマスはなんかウキウキ
クリスマスはなんかウキウキ
プレゼントもらえちゃうかも
プレゼントあげられるかも

約束がある人も
今日の予定が無いひとも
子供の頃の約束を
ふと思い出したひとも

コスプレしちゃってみよう
白いヒゲをはやそう
トナカイになって誰かを何処かに連れてこう

クリスマスはなんかウキウキ
クリスマスはなんかウキウキ
何かいいことありそう
何かいいことあるかも

肉を食え

詞・曲:頭慢

こんな店を選ぶなんて
お前にしては上出来じゃないか
酒とつまみだけの店だったら
あんまりだもんな
しっかりと肉も食える
話はそれからだ

昔からおまえはどうしようもないやつだけど
悩みがあるからと呼び出す相手が
あたしだなんてやっぱり
今でもどうしようもないな
まあしっかりと肉を食え
話はそれからだ

この店はちょうどいい明るさで
いい音量で音楽が流れてる
なにお前も初めて来た店だって
あいかわらずなやつだ
でもしっかりと肉も食える
話はそれからだ

お前とは何年来のつきあいだ
恋人だったこともあったよな
あんなに争い合ったこともあったかな
今ではどうしようもないな
まあしっかりと肉を食え
話はそれからだ

たぶんおまえはきっと
色んな事を話したくて
そしておまえの話は
くたびれきった頭の中の
おまえだけの理の中の
作りごとなんだろうさ
それでもやっぱり色んな事が
話し手もまだ足りなくて

話しているうちにまた
色んな事が浮かんできて
それもまたおまえの理の中の
話でしかなくて
だからとりあえず肉を食え
話はそれからだ

37兆2千億の声

詞・曲:頭慢

こんな誰もいない海に来ると
身体中の細胞がさわぐ
人工的なもの何一つない
見渡すかぎり海と空

さわがしい都会のビルを抜けて
吹く風はここまで届かない
なのに私の中にはまだ
都会の匂いが染み付いてるんだろうか

こんな海で
人に遇うなんて
あなたと出会うなんて

ああ、この人をずっと愛していいですかと
37兆2千億の声に耳を傾けてみる

あなたと言葉を交わすと
身体中の細胞が震える
本当は言葉なんていらない
今すぐに震えて触れ合いたい

こんな場所で
ひとりで居ること
ドギマギと言い訳をして

ああ、この人をずっと愛していいですかと
37兆2千億の声に耳を傾けてみる
37兆2千億の声に耳を傾けてみる