わたしとあなたと私と

わたしとあなたと私と
詞・曲:頭慢

あなたの名前を 呼んでみる
きっとあなたが 応えてくれる
それで私がここに居ることを
私がここに居ることを確かめる

わたしが本当に 歌いたい歌は
ひとりで歌っても わからない
それであなたにこの歌を
あなたにこの歌を聞かせる

わたしの中に あなたがいる
けれどもそのわたしは わたしじゃない

狂った世界の中 私は此処に居ると
証の無い叫びが 戦いだから

あなたの身体に そっと触れてみる
あなたは少し 驚き振り向く
だから私の身体がある
私の身体があると確かめる

わたしのまわりの かべのむこうに
わたしとおんなじ あなたがいる
あなたの名前を 呼んでみる
きっとあなたが 応えてくれる

まれびと来たりなば

まれびと来たりなば
詞・曲:頭慢

子供たちが欲望を満たしたいと思う時
そいつは現れるという
大人たちが誰かに愛を捧げたいと思う時
そいつに変身できる

リードの無い犬は
誰かが危険だと思う時
そいつは危険なものになる
人々がいつも暖かな心でいられるなら
世界中は暖かい

もみの木は飾った
部屋の掃除をした
カボチャのスープをつくった
なたを待つ準備はすっかり整った

遠くから来たマレビトは人々に福をもたらすという
そんなどこにもある話
年の瀬に現れて人々にモノをもたらすという
そんなどこにもある話

わたしは見たのです
知らない誰かが派手な衣装で
真夜中に家の中に入ってゆく
御伽噺をまだ信じられる心があるのなら
世界中は暖かい

大きな煙突はない
だからドアに目印のリース
ポインセチアの葉が揺れて
トナカイの鼻息にそっと耳を澄ます

天使が空から落ちてきた

詞・曲:頭慢

昨日見た夢の中で
僕はあなたをだきしめた
ミルク色の白い服に
ひざまづき顔をうずめた

目を覚ました後で僕は
その余韻を確かめると
まるで忘れてたあなたを
夢に見た事に驚く

あなたのことを思い続けながら
静かに生きていくこともできたのに
それは不思議な偶然のように
天使が空から落ちてきた あの日

自分が天使だったこと
忘れてしまった天使と
僕はとらわれ人のように
枝分かれの道選んだ

昨日見た夢の中に
あなたがあらわれたわけは
選ばなかった未来も
幸せだったからだろう

ひとはなにかを選んで生きてく
取り返しのつかないことに気づかないまま
それは何かのたくらみのように
天使が空から落ちてきた

バナナのブルース

詞・曲:頭慢

あなたがくれた青いバナナ
いったいどういうつもりなのかしら
きみにあげた青いバナナ
黄色く熟れたら一緒に食べよう

たわわに実った情熱の果実
ひとつひとつが恋する若い二人の気持ち
バナナバナナとっても甘い
バナナバナナ南の島バナナ

あなたの愛を確かめたいのに
黄色くなるまでおあずけなのね
きみとの愛が熟れるまで待ち遠しい
熟れ過ぎたなら冷蔵庫で冷やして

カリウムいっぱいカロリー少なめ
実ひとつ世ひとつ健やかに若い二人の未来
バナナバナナ少小さい
バナナバナナ南の島バナナ


マージナル

詞・曲:頭慢

週末に台風が近づくという
僕はいつものように海に来ている
海は穏やかでもなく荒れているでもなく
中途半端にいるのはいつものこと
中途半端にいるのはいつものこと

気が付けば いつも波打ち際
そして・・いつも 迷っている

少し前に東京に行ったんだ
平日の朝の東京で僕はエトランゼ
それは単に誰かとの違いだけかも知れないけれど
歩調を変えて歩いてみたんだ
ゆっくりと歩いてみたんだ

気が付けば いつも境界線
そして・・いつも 迷っている

君と過ごすささやかな暮らしの中で
僕はまるでいつも第三者のよう
とつぜん真面目な顔をして君が聞いた
人間は自然の中にいるのかしら
人間は自然の外にいるのかな

気が付けば いつも境界線
そして・・いつも 迷っている
いつも 迷っている
いつも 波打ち際
いつも 迷っている