海辺を歩いて

詞・曲:頭慢

海岸を二人歩いてた
潮風の香りと砂を噛む靴の音
季節外れの海には誰もいなくて
どこまでも二人海辺を歩いてた

二人ではしゃいだ頃もあったよね
遠い未来の景色さえそこにあった
何処からか聞こえるラジオの音に
あなたは少し顔を硬らせた

たくさんの人が語るたくさんの未来に
あなたは惑わされて迷路の中
僕はといえばただひたすらに
傘も持たずに雨を待っていた

海岸をひとり歩いてる
あの日から遠い場所の珊瑚の海は
二人で歩いてた海とつながってる
僕がだけがまだ海辺を歩いてる

海の水をコップに汲み上げて
そこに何が含まれてるか確かめてみようか
そんな現実に夢中になれば
信じるものも見つかったかも知れない

たくさんの人が語るたくさんの未来は
通り過ぎた後に確かめればいいのに
記憶も霞んで覚えているのは
取り留めない昔話をしたこと

海岸をひとり歩いてる
あの日から遠い場所の珊瑚の海は
二人で歩いてた海とつながってる
僕がだけがまだ海辺を歩いてる

バナナのブルース

詞・曲:頭慢

あなたがくれた青いバナナ
いったいどういうつもりなのかしら
きみにあげた青いバナナ
黄色く熟れたら一緒に食べよう

たわわに実った情熱の果実
ひとつひとつが恋する若い二人の気持ち
バナナバナナとっても甘い
バナナバナナ南の島バナナ

あなたの愛を確かめたいのに
黄色くなるまでおあずけなのね
きみとの愛が熟れるまで待ち遠しい
熟れ過ぎたなら冷蔵庫で冷やして

カリウムいっぱいカロリー少なめ
実ひとつ世ひとつ健やかに若い二人の未来
バナナバナナ少小さい
バナナバナナ南の島バナナ


飛び出し注意

詞・曲:頭慢

南の島の北の果て
車を走らせ向かいます
岬の白い灯台は
恋する二人が誓う場所
お気に入りの歌かけたなら
気持ちは上向き60度

だけど気をつけて スピードは控えめに
前方確認 飛び出し注意

シロハラクイナ 黒いカラス
イノシシウリ坊 セマルハコガメ

南の島の北の果て
ポンコツ車で向かいます
お日様キラキラ光るから
心もウキウキしてきます

だけど気をつけて 浮かれている時ほど
好事魔多し 飛び出し注意

シロハラクイナ 黒いカラス
イノシシウリ坊 セマルハコガメ

のろまなハト 痩せた猫の子
散歩中わんこ 飛び立つカンムリワシ
サキシマハブ 白いお馬さん
オオヒキガエル ヤギのお母さん

朝、海に来て海を見る

詞・曲:頭慢

忘れ物をしたら 取りに戻ればいい
ただそれだけのこと それだけのことです

ここは圏外 誰もいない海に来て
海を見てるひとり名前のついた街を離れ
ひとはいつか 忘れ物をしたことも忘れ
そこにあったものだけでプリコラージュして生きる

それでも忘れものをした思いは消えない
だからいつか取りに戻ろう

忘れものをしたら取りに戻ればいい
ただそれだけのこと それだけのこと
特別じゃない それだけのことです

昔のこと 初めて海を見た
その人は躊躇なく靴を脱ぎ裸足になったね
風はない だけど形をかえる雲
形のないものになる青い空の向こうで

戻り道の途中で命尽きたとしても
ただそれだけのこと それだけのこと
特別じゃない それだけのことです

全ての人が死滅したときうっかりと
生き残ってしまったときのシミュレーション

忘れものをしたら取りに戻ればいい
ただそれだけのこと それだけのこと
特別じゃない それだけのことです